痛い朝/香椎焚
 
快晴の町で 葉書は鳥に
狙った僕には矢が刺さり
君の声で孵化する
まだ痛い朝

飛ばした葉書 空は快晴
気付けばベッドも汚れ
積み重なるごみの中から
僕の羽を選ぶ

血のような錆びた証で
結びつけるのが此処
だからこそ 僕は足掻いて
君の不在をつかむ
きっと空の中に

何も始まらない
産まれたばかりの朝
生きていた日々を
思い出さない
必要なごみを僕は選べる
背中の皮膚をはぎ
羽を植える
君にはもう遠い春だね
僕にはまだ遠い春だね

快晴の町で 葉書は鳥に
狙った僕には矢が刺さり
君の声で孵化した
少し痛い朝

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