失楽園/
レモン
雨音が
ささやきを閉塞させる
しろく伸ばされた腕の饒舌は
くちづけよりも
切迫して
喉を
羽交い締める。
深海魚のようだ
隔絶された
いきぐるしさで
求めあい
同じ速度で遠ざかりながら
けして重なることのない鼓動と脈拍を数える眩暈
融けてゆく
昇ってゆく
えん
の
ような
おおきな渦の
失墜
あぶく絡まる
藻
にも似た
ためいき
だったの、
かもしれない
けれども
それは
紛れもなく
救済だった。
堕ちてゆく輝く闇に
ひとひら、
の
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