10月のゴルお題2つ/ブルーベリー
ケットに両手を突っ込んで歩いている半ズボンの男
そいつこそがサイレントジャック
くちゃくちゃとガムを噛んでなんでもないように歩いている男
そいつこそがサイレントジャック
大罪人サイレントジャック
そいつの罪は人々から無音を奪ったことだ
ほら今も道を歩いているだろう
誰も気付かず風景の一部となっているだろう
それこそがあいつの罪サイレントジャック
あるいは眉を顰めるかもしれないが
多くは耳を欹てず無関心のまま
通り過ぎるだろう
それこそが我らの罪サイレントジャック
ほら今通りすがり子供が風船から手を放した。
風船は男の顔の横まで浮いて
男は口元を小汚く鳴らした
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