フロント硝子/
あおい満月
やがて陽が傾いて、
月の裾が見える頃、
街を焼きつくす。
けれど、
何故だかはわからない。
私は何にこんなにも苛立っているのか。
何故、魔物になったのか。
まだ、息をしているあんたよ、
教えてくれ、
私は本当は何者なのか。
足元の割れたフロント硝子に映る私は
冷たく泣いている。
本当は幼い少女なのか。
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