真夜中は大嫌い/薫子
 


だから、駆けて駆けて早く真夜中にたどり着きたかった

どんなに駆け抜けても同じ時間にならないと真夜中にはならないのに。

そして、あの人は私からいなくなり私は真夜中は大嫌いになった。

どんなに駆け抜けてももう彼はそこにいないから。優しい言葉も優しい声も聞くことはもうできない、

私はただ、そこにとどまっている。でも、地球の自転で、前と同じように時間が過ぎ、真夜中はやってくる、

私は真夜中はもうきらい。暁時にむかって駆け抜けていかないと、あの人のいない真夜中はつらすぎる…

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