共通する無題詩/山人
 
入れてどんどん降り積もっていく
クリスマスももう終わって
明日からまた
あたらしいセカイがはじまるらしい。




今まで幾度となく訪れたラーメン店は、少し早い時間帯にもかかわらず「営業中」の看板を掲げていた。
細長い体躯の店主と中年の女が、静かに決まりきった作業を行い、開店準備をしていた。
いくぶん早い客の来訪にあわてるでもなく、自分の所用を足しつつ、頼んだ味噌ラーメンの準備をしている。
店主の中華鍋に無造作にモヤシが放たれ、絶妙な鍋さばきでモヤシは宙を舞う。
いたって淡々とまるで普通に息を吸うかのごとく、店主は当たり前に作業を進める。
女と店主は無言で互いの作業を見
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