海底のアダージョ/
レタス
深海に眠る
青年の宴の余韻が波のように
私を侵食する
酒宴は彼らのものだった
眠れない
彼らの酒宴は果てもなく
今も続いている
若い君は金曜日のカレーに夢をみて
年老いた者は塩物に過去をみた
漆黒の海底に降る雪を
肴にしながら
彼らが歌う
近づく私の気配に
彼らは歌うことをやめた
生けるものと
死せるものとの境界線
深海に眠る悲壮な
協奏曲は今も続く
繭に閉じ込められた
彼らの想い
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