一等のかざぐるま/這 いずる
一等好きで
嫌いなあなたを信じていた
からからと振り回されるかざぐるまの
無邪気さに心痛めて
傷んだことに驚いているあなたは
思いもよらなかったのだろう
意味のないボタンを押すように
ただ押しただけと思っていたのだろう
ぐらぐら揺れる視界は仕方がないから
目を閉じた
揺れるのは体なのか頭なのか
答えは出なかったけれど
あの此岸にいきたいと望んでも
諦めが混じったわたくしは歩き出す勇気もなく
遠心力のまま揺れて歪んで自分をなくしている
着いていけば何処かにはいけるだろう
きっとそのうち何処かへって
一等好きなあなたを信じていたけれど
あなたは無邪気さを盾に
ふう、とかざぐるまを廻す
同じ景色でぐるぐると
それでいいと笑っていて
一等嫌いなわたくしたちに成り果てて
風に吹かれている
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