あんぐれら/
ただのみきや
かるむ死体を見ていた
自分を抱こうと指先からゆっくりと開く白い扉を
海神などいない痩せ細った海は異物化してザラザラ
男たちはパイプに火薬を詰める痛みを載せたロケットだ
女神を抱けばアンクレットの鈴が響き甘露が降る
錨で繋がれたまま赤錆びた霧を吐く精神の鉄屑は
乾いた快楽で死を綴る三百年生きたアシカの目
《あんぐれら:2015年11月4日》
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