Bに捧ぐ/レタス
 

その亡骸は偉大にして強固だった

彼の奏でる旋律は時を経て
永遠に流れ続ける

幾何学を試し
その構造は果てもなく
静かに築かれている
溢れる鼓動とともに
バロックを組み立ててゆく
いまだに終わらない建築が
ぼくを魅了する

飽くこともなく
滅びの境まで
彼は遊びながら生きていた

繊細な旋律は
その骨格が示すように
あきらかに不動のものだ
巨大な蟻塚は今も成長し続けている

うねる波のように
いまも大地を侵食し
美学を崩落する

彼の名前は
魂のエヴァンゲリスト


戻る   Point(3)