いろはにほへとちりぬるを/ユッカ
働いていないと自分が誰だがわからなくなる
わたしはいったい誰だっけ
全く逆のことを働いているときも思っていた
結局自分を掴みそこねている
わたしからは逃げられないんだ
ひどいな
夕焼けのにおいがするんだよ
今月になってからずっと
体にしみついて消えない
空が燃えていくにおい
さようならのかわりに渡す
薔薇のような
免許や資格がないと自分がわからないなんてバカみたいだから
ほんとうは仕事なんてやめて 一思いに狂ってしまいたい
そうしたらやっと思い出せる気がする
たとえば自分のにおいとか
動物だったころの記憶を
でもさ
動物になってしまったら 自分以外のこと きっと忘れてしまうだろうから
あの人が生きているうちは
夢を見ているのかもしれない
人間の夢を
酔っぱらって
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