いくらか体重を軽くして渡す/末下りょう
 
いたポラがいくつか散らばりマッチブックの側薬は削りきれている。

肺の奥深くまでニコチンや色々な物質を吸い込み男はむせる。紫煙を吐く。目に染みる。外国産の不慣れな匂い。意識的な独り言。セリフ。男はずっと死んでいたいと思う。

錠が壊れた便所に立ち飲み続ける缶ビールがそのまま放出されているような光景を男は俯瞰する。サーチする。だが自分が酔ってるのか酔ってないのかよくわからない。

床のリモコンを拾い照明代わりにつける。ON、OFF 関係なくテレビは男の現実からかけ離れた場所に忽然とある。UFOに似た電化製品。救いは現在時刻と日付、たまに天気予報。その点がUFOより優れていた。その分、UF
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