impression/opus
鼻から息を出す
蹄を鳴らす
額から聳える
角の先から
血が滴る
彼女の白いブラウスは
真っ赤に染まり
涙で顔が濡れていた
湖の畔で立ち止まり
水を飲む
そこに映るは
静かに
湖へと入る
血液が水面に漂う
漂う月光の中
水底を歩く
傍らで水草が揺れる
ぷくぷくと
口の脇から泡が上がる
このままでいいだろう
このままで十分だろう
このまま、
このままで
ぷくぷく
泡が
もがく
苦しい
息をしたい
息を
月が丸々と
星がキラキラと
叫ぶ
叫ぶ
叫ぶ
その後は
どうでもいいと思ってる
何を選んでも、
それはそれでそうなんだろう
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