みちしるべ/
朧月
こどものころ
うそをつくときドキドキした
あいての顔をみられなかった
今は簡単に嘘がつける
安心して話しができる
ほんとうのことは
真っ白な綿につつんで
大きな木の根っこにうめる
木がどこか悲しげな時があるのは
うめられたほんとうのことが
静かな泣き声を放つからだろう
私はなぜか
私より早くにはなくならない木に
守られている気がする
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