未来のまえに/短角牛
 
思い出に浸って 満ち足りた気持ちになるのは

あの頃がシアワセだったからだろう

いまよりずっと、単純に生きていた若き日々

いまよりずっと、孤独を抱えていた日々

ひとりぼっちの未来予想図に うすら寒い居心地の悪さを覚えて

ただ、繋がりたくてもがいてた

文字に起こすと寂しくて暗い時代なのに

思い出に浸って 満ち足りた気持ちになるのは

あの頃が シアワセだったからだろう

起伏が 人生の起伏が

確かにそこに居たんだと 教えてくれるからだろう

谷間に滑り込んで 陰鬱な記憶を眺めながら

山側を縦走しては 晴れやかな日々に笑いながら

見上げる夜空 まだ星は無く 未来の前に

目を瞑り 明日への勇気を口ずさむ。








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