羨望/
瑞海
愛に怯えた人は
自分の肉を食べる
そして絶望する
血の海の中で
欲と涙が拮抗する
その繰り返しを以って
死へと邁進する
暗がりに潜む
もう一人の私は
私を目隠しして
何処へ拐ってゆくのか
選択肢を与える
絶望の淵を見るための
なんともまあ
皮肉なことに
崖には一筋の光が差していて
手に掴もうとした瞬間
底の無い宇宙へ
飲まれていくのである
そうして粒子になって
また廻る
廻り廻って
君を失くして
廻り廻って
眼を切り刻んで
廻り廻って
涙を流す
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