性急な氷河のおもて、あるひとつの窪み/ホロウ・シカエルボク
 
み出そうとする理由にはならない、ひとつの縛りを外れたところで、もうひとつの縛りに自らとらわれにいくようなものならば…ビート、ビートだ、流れをひたすら追っかけていくことだ、着ているものや言葉遣いなんかにあれこれと考えをめぐらせる時間など作ることはない、乗るべき流れにきちんと乗っかっていくことだ、そのスタンスを証明して見せることだ、それは急げということではない、見極めろということだ、分析するのではなく、感覚を理解しろということだ、そんなことが様々な振動の中で浮かんでは消えていく、休日の午後は夜に向かって少しずつ流れていこうとしている、性急な氷河のように少しずつ少しずつ、ゆっくりと溶け出しながら。









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