性急な氷河のおもて、あるひとつの窪み/ホロウ・シカエルボク
重く沈みこむようなビートの羅列に休日の午後は侵食されていて、手持ち無沙汰になった心情の中には怠惰と、ほんの少しのいらだちのエッセンスが落された水が満たされていた、ついさっきまで表通りを歩いていた、こうして部屋の中で腰を下ろしているとまるで判らないが表通りはまだ強い太陽の光に照らされていて長く歩いていると少し汗が滲むほどだ、いまが何月なのか思わず忘れそうになる、カレンダーを見直す、そうだ、誕生月だ…日常は麻痺し続け、およそ生きていくための役には立たないもののために費やされている、大真面目にそんなことをしている連中に混じって阿呆のふりをしていると時々本当に阿呆になったような気分
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