白い部屋/愛心
ることだけは確かなようだった。
どれくらい時間がたったか分からない。
大声で叫び、壁を叩き、よじ登ろうとして、今行っていることが何の変化も起こさないことに気づいた。
私の血がついた有刺鉄線は何事もなかったように、目が覚めた時とそのままの状態で機械を囲んでいる。
ここは、私は、一体。
生きているのか、死んでいるのか。
夢なのか、現実なのか。
私は生物なのか、それとも無機物なのか。
何かを思い出すどころか、思考が少しずつ死んでいくようだった。
傷に触れた。
この感覚は痛みなのか。熱なのか。
私はなんだ。
なんだ。
わたし
私?
ワタシ
私
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