緑色の切符/
レタス
ぼくは何処までも往きたくて
ありったけの大枚の札を払い
列車に乗った
河を越え
トンネルをくぐり
何処までもゆく列車に乗った
車窓を開けたなら
緑色の空気が
車内を満たしてゆく
遠くから
凸レンズのように
人々の歌声が聴こえてくる
ぼくは永遠の列車の中にいて
時折窓を開けた
生きた証しを知るために
乗客といえば
話をすると
全てはいまはもう亡き人々であった
ぼくは
生きているのだろうか
死んでいるのだろうか
とにかくぼくは緑の切符を買った
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