緑色の切符/レタス
 

ぼくは何処までも往きたくて
ありったけの大枚の札を払い
列車に乗った

河を越え
トンネルをくぐり
何処までもゆく列車に乗った

車窓を開けたなら
緑色の空気が
車内を満たしてゆく

遠くから
凸レンズのように
人々の歌声が聴こえてくる

ぼくは永遠の列車の中にいて
時折窓を開けた
生きた証しを知るために

乗客といえば
話をすると
全てはいまはもう亡き人々であった

ぼくは
生きているのだろうか
死んでいるのだろうか

とにかくぼくは緑の切符を買った







戻る   Point(1)