ぼくは笑わない/atsuchan69
 
答えのない戦争が笑っている
錆びた原子炉が急な坂道を転がって
色とりどりの女たちの股ぐらを
獣じみたつよい風が通りすぎてゆく

右のポケットには
ちょっと水色のビー玉一個と、
アーモンドみたいな世界樹の種が三つ
左のポケットには
いつでも人を殺せる
残酷な言葉がいっぱい詰まっている

ぼくは詩人
ちょっと水色の、
ビー玉みたいな詩人
ぼくが笑うと戦争がはじまる

だから今日も泣きながら
素早く女たちの股ぐらを潜り抜けて
ぼくは錆びた原子炉と一緒に
果てのない急な坂道を転がっているんだ







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