鍵/マゼンタ
 
一仕事終えた様な充実感でいっぱいで、僕は車のソファに深くため息をついて腰をおろした。泥まみれで爪の間に土の入った指でステレオをつけてザッピングすると、古いジャズボーカルや落語や人生相談が流れてきたがすぐにそれを消した。
すでに夜になっていた。
視線を落とすと足元には黒土と落ち葉が散乱してしていた。おまけにスラックスの膝のあたりが真っ黒な泥にまみれていたので驚きのあまり立ち上がろうとして天井に頭をぶつけた拍子に何かがフロアマットに落ちた。鈍い光を放つそれをつまみ上げ、外灯の光で照らすと、それは少し歪な形をした鍵のようだった。

午前十時少し前から午後六時まで、休憩を挟んだ実働七時間、僕は巨大
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