アフターイメージ/末下りょう
 

それは
いつも
傍らで


鱗粉の睫毛の爆発を
捕食する


鉛雲の底辺を結び
つめたい足の自閉した雨が
背を反らしながら



あなたを
呼びとめ
あなたは


あなたを
思い出す



黄色い切れ端に光の錘は
うなだれ


やがて夜露に濡れたクモの巣の
罠にかかる


そのすがたに
みとれる
あなたのような影が
かすれる


中庭でいつかに逃がした
蝶の翅の眼帯が
排出した午後



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