パルスなし/北大路京介
 

左手で書いた鏡文字 かたるしす
溶解して揺れる かくざとう

しっぽを振っているにもかかわらず
熱帯魚の水槽みたいな胃
汗まみれで凍結した手紙は私のために詩を唄わない


     i          i       i
      ||         ||       ||
___,、_|.|_,.ヘ、_,、__,、_|.|_,.ヘ、_,、_,、_|.|_,.ヘ、_,、_


ことばあそびの終わりに
つながった道
暴走するゴーカート

警告音を無視して 
アクセル踏みっぱなし

月が2つ3つ4つ増殖していく
それでも空は音をたてずに黒くな
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