ブリュノ/opus
 
安いスクーターを走らせる
薄汚れたアパートの前で停め
走って入っていく

金髪の縮れ毛に
煤けた灰色のセーター
ロールアップした黒い綿のパンツに
青い靴下
黒いコンバースのジャックパーセル

2Fの一室のドアを勢いよく開ける
とっ散らかった部屋
6畳ほどの広さ
真ん中に布団が敷いてある
掛け布団が皺くちゃに転がっている

「ちっ」
ブリュノは舌打ちをして
ドアを勢いよくしめ
1Fへと降りる

スクーターに
ヨレヨレの白いランニングを着た
ハゲの親父が乗って
「やべっ」
そう呟いた

「てめぇ?」
ブリュノが勢いよく叫ぶ

空は曇天で

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