キンタマ王子、悩む/花形新次
 
キンタマ王子は悩んでいた

キンタマだけを見られると
イケイケのマッチョのように思われるが
本当のキンタマ王子は
情緒的で感傷的な心優しい人だったからだ

そんなキンタマ王子が書いた
詩がある

「しあわせ」

後ろ姿しか
見えなかった

声は掛けられなかった
これが最後だと分かっていた

気持ちは通じあっていた
そう信じている
でもタイミングが合わなかっただけ

人生ってそんなものなのかな
初めて
か、な、し、い
って思ったよ

僕が出来ることは
きみの背中に
祈ることだけだった

「キンタマのシワとシワを合わせて
しあわせ、ナムー」
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