廃屋で待つ/本木はじめ
無季
救済の鐘はどこかで鳴るだろう朽ち果てたまま何を祈ろう
防音の音楽室で外見つつ鳴らない雨の音を奏でる
待ち合わせ場所は月面公園で浮き立つ心も足も体も
ゆるやかななみゆるやかにやみはらみひかりをゆっくりのみこんでゆく
青空が夜空に変わり逢い引きは逢い引き以外の何でもなくて
荒れ狂う木々を窓辺で見続ける猫もあなたもいない廃墟で
非道
かつての恋が廃墟だったとしたら白い鴉は何に喩えましょうか
窓辺には絵画のような草原と空が果てなく広がっていない
ベランダに鴉と鴉でないものがずっ
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