黒い道/ヒヤシンス
 
い言葉は吐かないだろう。
 たとえようも無い程の黒い道が自分の後ろに長く続いている。
 後悔しても始まらない。
 人々は黒にどうしようもなく縛られているのだ。
 ごまかしはきかない。
 黒い道は悪の道だ。
 誰もが少なからず悪の道に足跡を付けている。
 嘆くことはない。
 経験が粋な言葉を人々に吐かせるのだ。
 今わかったことだが、黒は取り止めがない。
 死がそれを止めてくれるのだろうか。
 人は一線を越えるとすべて灰色になるではないか。
 それこそは悪と善の結晶体なのだ。
 黒黒黒。
 黒い道が私の前途にも限りなく広がっている。
 さようなら。
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