火の玉/藤鈴呼
 


氷を グラスに 入れたなら
ガラスは 汗を かくでしょう

ダイソーの 布コースターに ソレ乗せて
持ち上げたらば ポタリ・滴が

その音が まるで
昨夜 眺めた 花火のようで

一人 にんまりとしながら
車のキーを 手にした朝は 曇天

リズミカルに 動く 扇風機
六時間で タイム・アップ

どう 逆立ちしたって この猛暑
睡眠時間は 足りなくて

丁度 夢を見る 寸前に
あなたは 止まるのね

トクン・トクン
誰かの 心臓の音みたいに
ちょっとダケ 逸るココロ

コロコロと 飛び交う火の玉が
まるで 綺麗で

飛び起きた
何時かの 悪夢みたい

汗を吸って 
しっとりと 重くなった 長座布団に
ポタリ 落ちたのは

あの日 流せなかった
涙 なのかも 知れなくて

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