浄化槽/ブルーベリー
(「それって犯罪じゃないですか?」)
視線をうろうろさせながら
そう幼い口調で言う
彼の
木は
とても威勢がよく
正直みんな期待していた
けれどその土壌に油を撒いたのは彼だった
ある日彼は汚すなと言われていた場所で
何も敷かず油をぶちまけてしまったのだ
彼は慌てて拭いたけれど、
罅割れ疵付く地面からふつふつと沸き立つものと流れ行く先を見れば
それがもう、沈まないのは、確かだった
溢れ出て、
「君は何を育てていたの」
私はやさしく彼の憤慨をひとつひとつ汲みあげて、ゆるめて、冷やす行為に専念した。
今時は環境破壊の観点からも色々と煩い
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