すみれ さいた/藤鈴呼
小さなスミレには
思い出の全てが 詰まってる
ずっと 土の中で
温まって 居た 気持ちが
真夏を迎える 直前
花と化して 艶やかさ 増した
鮮やかで 冷たすぎる 水滴をも
糧にして 勝て
哀しみに 負けぬ くらいに
喰らい付け
そして
二度と 離すなと
教えられているかのようだ
黒い 物体が
行き過ぎた 後で
ちょっと 急ぎ過ぎたの と
囁き声が 聞こえる
活き過ぎた
生き過ぎた
粋すぎた
だから ね
ちょっとダケ
お休みすることに したのよ
あなたの 笑顔が
見えるような日
紫の 蝶々が
ゆっくりと 飛ぶよ
空に 向かって
降り注ぐ 滴など
涙には 敵うまひ
涙など 叶うまひ
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