『戦争詩歌集事典』高崎 隆治より、戦争詩を考える。/こひもともひこ
 
北原白秋・高村光太郎・三好達治は、私の好きな詩人だが、彼らはみな戦争協力詩を書いている(「戦争協力詩」という言葉は変だが、「愛国詩」「(反戦詩ならぬ)賛戦詩」「戦争昂揚詩」のどれも変ではある。この辺の名称が存在しないのも不思議だ)。当時の日本は、今の北朝鮮を笑えない状況だったことの想像はできるので、心情としては書きたくなくても、戦争協力詩を書かざるを得なかった詩人が多くいたであろうことの理解はできる。けれど、この時期に書かれた戦争協力詩を探してもなかなか見つからないのは非常に気持ちが悪い。探してみると、『辻詩集』には多くの詩人の戦争協力詩が載っているようだが、手に入れようと思える値段ではない。私の
[次のページ]
戻る   Point(16)