描線/末下りょう
白くなるきみの白い声が白に白く痕跡を留めて
白い旋風を白と回転させ 白に白さが巻きつく
白く使うもののほかに白いぼくの白いものはなにもなく
白くなるぼくの白いような白が
白い言葉の側からの白い笑いそのもののように
白い窓辺に
白くそよいでいる
白はすべての色の影 世界の紙切れに
夜の白は 光りの足跡
白にわずかに残された空の白が
白に埋まるとき
ここから白が
白に 消滅する
そのとき ぼくは黒で縁取り
そこにいまにも崩れそうなきみの輪郭をみいだしたとしても
きっと強く抱きしめようとする
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