未来/千波 一也
 
くたちに託すほかないことを
いつの間にか忘れてしまっている

たどり着き得ぬ場所から
たどり着き得ぬ場所へ
渡りやまない手紙

ぼくたちの誰もがこころ当たる
懐かしさや、恥ずかしさ
恨みつらみや、あたたかさ

どれが欠けてもならなくて
どれが悪いも良いもない

それが、
それだけ、が
ぼくたちの受け継いでいるはずの
未来

失うすべのない、未来






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