赤い星/そらの珊瑚
たったひとしずくの水が
いったいどこからうまれてきたのか
だれもしらない
じぶんというほんしつに
たどりつけないように
しっているのは
ただここに
あるということだけ
それはじゅうぶんすぎるくらいの
あるという
こどう
必然と偶然は
ひきだしのなかに整然としまわれているわけでなく
それをあけてはじめて
わたしたちはそこへラベルをはる
水がわき
無言のいのちがやどるとき
過去形であった神と記されたラベルを
ふたたびとりつける
もえたぎる
赤い星の
冷徹な心臓へ
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