一欠けらのパズル/まーつん
 
君は行ってしまった

一度背中に翼が生えたら
羽ばたかずにはおれない鳥のように
遠い所へと飛び立っていった

きっと、その心は
この地上に縛りつけておくには
余りにも自由すぎたのだろう

肉体は重しとなって
僕らを日常に引き止める
そこに安らぎを見いだせる者もいれば
ただ、息苦しさにあえぐだけの者もいる
そう、君のように

でも、どうして
命を投げ捨ててしまったんだい
どうにもならないことで、
自分を責め続けていたのかい

君は、こう言っていたね
自分は間違った絵の中に迷いこんだ
パズルの一かけらのようだと

どこにも居場所がなく
さ迷い歩いた挙
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