はつ恋/レタス
なぜ今夜も
まだきみは此処にいるのだろう
あの街から去った時から
どれだけの月と太陽がすぎていったのか
きみは知っているの
きみはきっと忘れている
ぼくがどんなどんなヤツか
どんなオトコだったのか
それはきっと知らないだろう
ぼくは涙なんか流さない
この街を漂いながら
どんなに走ったとしても
どうしても
きみだけには追いつかなかった
ぼくは決して忘れない
この瞳のシャッターだけが通り過ぎていく
きみと彼とを捕らえたあの刹那
ぼくはただ氷に閉ざされた
あの日を想い出すだけだから
だからもう
ぼくの中で何も言わないで
ここにあるのはレンズのむこうにある
モノクローム写真だけだから
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