飛ばないウサギ/ユッカ
 
バラバラになった林檎
ウサギにして
大きな耳で飛ばしてあげる

「可愛いだけのあたしのこと
可愛いって言ってくれてどうもありがとう
どんなに耳を大きく切ってもらっても
あなたの言ってることは未だによくわかんないけど
でもこのからだ中の赤色が
あなたの好きだって言う
夕焼けだったらいいのになって
たまに思うし
まあ思ってるだけだから
これはただの願いごとなんだけど
これ以上なくあなたのためになっているような気がするんだよ」

誰かに優しくしてしまえば見返りを求めてしまうから
飛ぶことのできないまま落ちた林檎のように
渡されることのない愛くらいが
食べごろで
とてもおいしいと思う
わたしは今日もウサギを食べる

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