『凝結』/hahen
 

水晶を埋め込まれ、
体内で精製する
光の
透過率と、反射率が
基準を満たして、
熾り火に揺れる秋へ
均しく並べられた
ひそかな夜虫の声は
水晶にぶつかり、
散らばり、
敷き詰められた絨毯みたいな
闇の粒子を押しのける
斉唱となる、
錬成師のとかげのおかげ。
どこから転がりこんだか
わからない、拳骨よりも
大きな石と石と、
その隙間を埋める石くれの
つくった空洞で
背中の青く滑らかな光沢を
隠すように眠っている。

砂埃が舞いあがったら、
領域はすこしだけ
塩辛くなる
ひとの抱える
心、
っていう拘束具を
数値の配列に
変換していたかった
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