空の蝋燭/
木立 悟
ドレスと氷のあいだには
一体 何年がすぎただろう
晴れの日をただ
受け入れようとして
星と同じ歳の生きものが
曇と話しつづけている
横すべりの空
風の彫り癖
とどまる時を
照らしゆく
幾度めかの滅びの日
少女は別のドレスを身に着け
何もかもが見えないほどの
蝋燭の煙のなかで手を結び
蟻を踏み泡を踏み歩き出す
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