空の蝋燭/木立 悟
 

ドレスと氷のあいだには
一体 何年がすぎただろう
晴れの日をただ
受け入れようとして


星と同じ歳の生きものが
曇と話しつづけている
横すべりの空
風の彫り癖
とどまる時を
照らしゆく


幾度めかの滅びの日
少女は別のドレスを身に着け
何もかもが見えないほどの
蝋燭の煙のなかで手を結び
蟻を踏み泡を踏み歩き出す


























戻る   Point(5)