ひたい/
木立 悟
の奥の紙きれを見ている
昏く まぶしく笑っている
遠いひとつの水紋が届き
刻まれた傷は歌になり
新たな舟を浮かべては
新たな空を渡りゆく
飾りを背負った十の目の羊が
夜を喰んで星座になるとき
金と銀の葉は眠ることなく
荒れ野のなかから歌を見つめる
すべての季節の
すべての吹雪を歩むもののひたいに
小さな火よあれ
小さな手よあれ
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