ほるもん爺さん、かく聞きたり/石川和広
 
まつりごとに
たてつくなあ
見えねえヤイバで
タマ詩とカラダを
伐られたときにゃ

古い良い気が伐られたときみたぁ
きくずら散るから

黙って
礫をなげるわ
きずつけるは
つれぇけんど

明日のうたがなくなるのは
やだからの

徒党は組まぬ
つまり、マツリゴトさあ、なるからの
マツリゴトと祭りはちがうさ
まつりはわらうし、なぐさ、わりゃ、ひとを釣ったりしね
しぬるものさ、うたってゆくさ
血の痕われのゆびに刻んで

われだまるさ、それうたさ
爺さんは
そのまた父さんからかく聞きたり




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