呪文/kaz.
 
今月面にまで沸騰しているのだ、
そして最後に、
きれいに洗われた少女から、発された言葉が、
罰は、受けなさい、
発話、しなさい、だった

三日月と新月の間に彼女の月経はなく、
満ち欠けを終えた卵黄は淫らに枝をぬめらせて、
暗雲の中で稲妻のようにかかやいて、
ほくはあのそらかいちはんうつくしいとおもた、
ほくはあのそらかいちはんうつくしいとおもた

灰皿の縁から、黒焦げになった塊が宙に舞う
ばらばら、ぱらぱら、天だらけ、

削除してください、
削除、してく、ださい、それがだめなら、
錯書でもいい、ああ、
歯がないぼくの顎が、ひいひい鳴り響いて
ぼくの止まり木には葉がない、
がらぴい、がらぴい、
ぴしゃん、がらぱんごろす、うんちょげら、どりゃばらせぼたおん、
罰は、できない、
発話、できない、それが発句の、運命
戻る   Point(3)