迷宮ルーレット/
千波 一也
迷宮で廻すルーレットには
なんの不可抗力もない
風に繰られる日誌のような
待ち人しらずがそこにある
許可もなく
陰影もなく
皆無もなく
わずかばかりの定義だけを添えて
ルーレットは廻り、停まる
そうして誰かがそれを謳う
あるいは描く
あるいは演じる
あるいは無知で囲う
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