原点を探して/あおい満月
 
。まるで綿菓子が口のなかで溶けるように。私はことばのひとつひとつの味の気配を頼りに綴っていく。すべてはことばの気配やぬくもりである。
「体験」という大きな記憶を持っている人は、その体験をことばにしたことばの気配は強烈であろう。しかし、その強烈さが「旨み」となって素晴らしい世界を展開させることが出来るのである。そういう作品は非常に好きである。
 体験を欲するならば、自分が今、どこにいてどのような立場に立っているのか知ることが大事であろう。私は今は、昼間は公共施設の事務パートとして働き、その傍らに詩を書いている。ただしそれで何の原稿料ももらってはいないし、大
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