秋・滑落/
ただのみきや
悪びれることもなく時は捲れ
ゆるゆると確実に老いてゆく
胸に立ち込める冷たい霧
晴れる間もない
季節より早く深まったあなた
色づく言葉が黙々と
忘れ去られた詩人の墓を覆う頃
斜陽に目を細めながら
ぬかるんだ道をひとり
なにかが鳴いた
刺し傷みたいに
踏み外すなら今
《秋・滑落:2015年9月10日》
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