足跡/深水遊脚
 


いつのまに内緒話は死語となる 左下がりの枝に梨の実


「信じてる」 秘密のありか探る手で 画面で乾く目を伏せたまま


民族の衣装は乳を隠さない 壁が嫌になり踏み込む裸身


微動だにしない魂 動かずに痩せて細って油を求め


人ひとり語る字数は千字以下 突然生まれた法に裁かれ

戻る   Point(4)