水葬/
atsuchan69
暗い夜の底から
柔膚を剥ぐように奪われた
土と草の匂いと、
家族の笑いを灯した明り
安穏な日々
を
揺さぶり壊して
一瞬が、
全てを奪った
星々をも掴もうとすらした
未来永劫に消えない呪いを走らせて
誰も正しい道へ戻ろうとはしなかった
一時の歓びと傲慢のゆえに
雨よ、
どうか鎮めたまえ
燃えさかる肌の
薔薇色の火照りとともに
憎しみのすべてを
深く水に沈めるため
雨よ、
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