秋のあをぞら/
そらの珊瑚
虫の音は過去から届くメッセージ紐解きながら浅い夢みる
つかめばするりと逃げてゆくとかげのしっぽに似た夜だ
まだら雲見ている猫の背中にもまだら雲がひとつぽっかり
朝起きて歯医者の予約を確かめて雫したたる梨の皮むく
ペチュニアのしぼむ朝来て錆びたハサミも解体される
あきかんをならべ立ち去る人の背にひとひらの蝶ひっそり止まる
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