そこから世界を照らす光は見えるかい?(アイ・シャル・ビー・リリースト)/ホロウ・シカエルボク
だったのか女だったのか
そのことさえももう思い出せない
あの日、どうしてあんなにも鮮やかに
早い午後の日差しはあの玄関口を照らしていたのか
様々な糸の端を手にとって
繋がっているだろうなにかを思って必死に手繰り寄せるけれど
たいていの場合途中で途切れていて
そして千切られたみたいにいびつで
もう一度、たとえば
原子みたいなものになって
輝く水の無い海の中を
魚のように漂えたらいい
それは本当にシンプルな理由で
どんな理屈もないだけ迷いようがなくて
たとえばこの血管に麻酔薬を流し込んで
自分自身を適当に解剖する
どれぐらいで痛みは戻るのか、どれ
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